あなたが食べる「ほうとう」は?

今シーズンはぶどう園の案内を、ほとんど書かずにすみませんでしたm(_)m
 
 
やっとぶどう狩りシーズンも落ち着いて、久しぶりにほうとうの事が書きたくなりました。
 
 
でも何故ほうとうかと言うと・・・
今日ご来店にいただいた何組かのお客様にほうとうのお店をご案内させていただいたからかな。
 
 
なので今夜は美味しいほうとうについて。
 
よく「美味しいほうとうのお店を教えてください」と聞かれます。すると迷います。
 
お客さんにとって美味しいほうとうか、私達にとって美味しいほうとうかを。
(ちなみに山梨県民はほうとうは家で食べる物と思っているのでほとんどお店で食べません。)
 
なので、お客さんのご希望をお伺いして、その時々でご案内するお店が違っていたりもします。
 
美味しさって、味・見た目・食感・香り・お店の雰囲気がトータルで自分の好みに合っていたら
「美味しかった」となるんだと思うんです。
なので私達がただ、ほうとうそのものの美味しさだけでご案内させていただいたとしても
それで満足していただけるかどうかはわかりません。
 
でも、やっぱり「ほうとう」そのものが美味しいほうとうに出会ってもらいたいなあと思うわけで・・・
 
 
私が美味しいと感じる基本のほうとうは・・・
 
1.冷凍の野菜(里芋・インゲン・人参など)ではなく、全て生の野菜等 を使っている。
 
山梨では一般的にほうとうは秋冬の食べ物という認識です(一部地域では
茄子等入れて夏にも食べる習慣があるようですが)
なので、秋冬に食べる場合に温室栽培や冷凍の夏野菜、が入っているのも
また不自然と思うのですが。
 
2.薄くてツルンとした麺ではなく粉を感じる厚みのある麺で
 麺に味がつけてないこと。 
 
早く煮えて提供時間を短くするために薄いのか?店主の好みか?わかりませんが、一般的なほうとう麺にはある程度の厚さがあります。
 
麺が厚い場合、事前に麺を煮ている場合もあるようです。
その場合、汁と麺が一体化してなくて、尚且つカボチャ等の具材が
トッピングと思われるほうとうがあります。
 
 
3.白味噌ではなく甲州味噌(米麦麹で仕込んである味噌)を使ってい
 る。
 
4.野菜から出た旨味が麺に染み込むくらい、よく煮込んである。
 
5.コーンの水煮、山菜の水煮、春菊、大量の椎茸、大量の玉葱、
 これらを入れていない。(素材の個性が強い)
 
6.鉄鍋風に見えるアルミ鍋ではなく、ほんとの鉄鍋で提供されている
 
 
7.鉄鍋から直に食べさせるのではなく取り分けの器が添えられて   いる。 (出来ればお椀)
 
8.そうそう、美味しいカボチャを使っている、これ絶対条件!
 
 
こんな感じでしょうか。
ほうとうは郷土食です。家庭の数だけ味があります。
だからどれが一番なんていえませんが、地元民がほうとうと認識出来る
ほうとう、それが私のお勧めのほうとうです。
 
是非上記ポイントを押さえているほうとうを探してみてくださいね。
 
 
美味しいほうとうは、よく煮込まれ、野菜から出た旨味が麺に染み込み、とろっとした汁と麺と具材がひとつにまとまっています。
 
さて、あなたが食べるほうとうは時間を掛け丁寧に作られたほうとうでしょうか?
 
注:決してお店のほうとうを批判するものではありません。
  家庭で食べるほうとうのように材料をふんだんに使い時間を掛けてい   たら、営業が成り立たないでしょう。
  ただそんな中でも、私達甲州人が食べてきたほうとうにより近いものを  工夫を凝らして頑張って提供しようとしてくれているお店があると嬉しい  ですね。